ZOZOでツケ払いをする人って・・・?

ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは17年8月18日、同サイトの決済サービス「ツケ払い」の利用者数が100万人を突破したとリリースした。直近の年間アクティブ会員数およそ673万人の、7人に1人くらいが利用したことになる。驚きの利用率だ。

ZOZOTOWNのツケ払いは、支払い期限が2ヶ月先と長期にわたるだけで、支払い方法はコンビニ決済や銀行振込と変わらない。商品が届いた後、振込用紙が送られてくる。サービスを利用する手数料は税込324円で、購入ごとに発生する。

 

これは「後払い」だね


 

いやー、これを「ツケ払い」とは言わないよね。このような仕組みを普通は「後払い」という。

「ツケておく」って、個別の請求を後日まとめて「お勘定」することだから。飲み食いの勘定を年末にまとめて清算するといったように。それこそクレジット決済がなかった時代には、顔なじみ客の便利がいいように、そういった慣習が残っていただろう。

購入ごとに個別に手数料が発生するものを「ツケ払い」とは言わない。

ZOZO側はマーケティング的な効果をねらったんだろうけど、あえて誤用を選ぶ? 不思議な感覚だ。今のところサイトの売上アップに寄与しているので、「見事なお手並み」と評価されるのだろうけど、言葉の意味が実際に違うし、これが広まるほど勘違いが増える。ツケ払いなんて、もはや死語だからいいのだろうか。

 

せめて「ツケ」になるなら・・・?


 

ツケ払いというならせめて、上限に設定した5万4000円までなら何度も購入できて、最初の購入から2ヶ月後に清算するといったシステムだといいのに。これなら、少なくとも「ツケておく」体裁にはなる。

ただしこの場合、最初の購入から1ヶ月半後の買物は、半月で清算しなければならなくなる。それではZOZO側も購入者も充分なメリットを享受できないかもしれない。

トレンドが価値であるファッションは、手持ちのお金がなくても今、買う必要がある。お金ができた来月か再来月に購入しても意味がないのだ。そうまでしてトレンドの先端を行く気はないとしても、2ヶ月待っていたら商品そのものがなくなる可能性がけっこうある。アパレルは作った分を売り切ったらおしまいになる。ファッション性に価値を置く商品なら、なおさら追加生産などしない。

支払いが2ヶ月先なら、今すぐトレンドアイテムが買える。後払いのニーズが高いわけだ。

だから「後払い」なわけで、やはりツケ払いではない。ZOZOの「ツケ払い」サービスを請け負うGMOペイメントサービスは、ZOZOに提供している自社のサービスを「GMO後払い」と言っている。そりゃそうだ。後払いだもの。

 

手数料まで負担する気持ちは謎。
ファッションだから、いま買うしかない?


 

ファッションアイテムは、今すぐ購入しないと意味がない、と書いたが、それを肯定するわけでも、私がそう考えているわけでもない。私などは、衣服はあるものの中から選ぶ。こだわりがないわけではないが、必要を感じたとき、あるものの中から選択する。衣服の季節感は考えても、トレンドが衣服の価値を決める絶対的な要素とは考えない。

そういう人からみると、ツケ払い(しつこいようだが実質は後払い)を利用してまで買わなくても、と思うわけだが、衣服への価値観が違うわけで、ツケ払いの一点をもって「お金の管理ができない」、「浪費家」などとレッテルを貼る必要もないと思う。「このアイテムは今すぐ買わなければならない」と考える人が、「しかし手持ちがない」・・・。そういうこともあるでしょう。

そんな「ツケ払い」、クレジットカードを持てない若年層が利用しているのかと思いきや、ツケ払い利用者の構成比は20代が41.2%、30代が25.7%、40代が17.2%で、10代の15.9%を上回る。

学生だったとしても、20代ならクレジットカードを作れなくはない。高校生だってデビットカードは作れる。あえて「ツケ払い」を選ぶ理由は何だろうか? 解釈の難しい現象だ。

なにせ、ZOZOの「ツケ払い」は、購入者が利用手数料を324円も取られる。クレジットやデビット決済なら手数料は店側が持つのに・・・。自ら手数料まで負担して後払いにする理由とは?

 

ツケ払い利用者100万人突破で手数料無料キャンペーンを展開。(ZOZOTOWNホームページより)

 

確かにカード決済だと、返品する場合に一度は口座から引き落とされ、あとで払い戻されるというプロセスが発生する。ZOZOの「ツケ払い」は商品到着後の支払いなので、返品しても銀行口座の「引かれて・戻して」がなくて済む。ただ、それは返品の場合であって、気に入った商品を保有するなら324円の手数料が発生してしまう。

利用者のメリットを理解するのは難しいが、店側のメリットは明白だ。手数料を購入者が負担してくれるのだから、どんどん「ツケ払い」して欲しいくらいだろう。

手数料を支払ってでも、後払いを選ぶ。そのココロは・・・、2つしか浮かばない。

クレジットカードの限度額を超えてしまうか、銀行口座にお金がストックされていないか。それ以外にないように思う。

ではどうして、そこまでして衣服を買うのか? それは前に書いたように、ファッションには旬があり、旬を過ぎたら価値がないからだ。

 

やらかす人は、やらかす。


 

ファッションアイテムに旬を価値とする特性があり、ZOZOの「ツケ払い」を利用する側にクレジット限度額と口座残高の問題があるとすれば、決済手段の多様化は、巷で懸念されているように支払い能力を超えて買物してしまう人を誘発する危険性はある。

ZOZOの「ツケ払い」には5万4000円という上限が設けられているが、債務超過に陥ってしまう性質の人にとって防波堤にはならないだろう。ツケ払いを支払うために、別のところで借金をするかもしれない。その借金に利子がついて、返し終わらないうちに消費のためにまた借金して・・・と債務が膨らんでいく。ありそうな話だ。

もっとも、そこまで心配し始めたら、問題はZOZOの「ツケ払い」にとどまらない。クレジットもデビットも現金であっても、やらかす人は、やらからす。


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