梨でパフェはアリかナシか。ミニストップが初挑戦

 

ミニストップのパフェは、看板商品のソフトクリームに果実などをアレンジして商品化する。17年のフルーツパフェは、ここまでイチゴ、マンゴー、マスクメロンといった人気フルーツを手堅く並べてきた印象だが、8月4日発売の新商品には「梨」を採用した。「雪梨パフェ」(税込350円)。同社パフェの歴史では初めての挑戦となる。

雪梨パフェ

水分が多くて果肉の繊維も柔らかい梨は、あまり加工用に向かない。さっぱりとした味わいを加工品で再現するのも難しい。これまでパフェで使用してきた果実のようにフローズンにしてしまうと、梨の食感とはかけ離れたものになってしまう。開発に着手してすぐに、フローズンでの商品化は諦めたという。

梨の食感を生かした加工プロセスが完成するまでに2年を要したという。

 

旅する梨 蜜に漬けて、ゼリーで包んで


 

産地で収穫した梨を、缶詰にするような要領で蜜漬けにする。それを加工場に運んで洗浄のうえ、梨ゼリーでコーティングする。そこからチルド帯で各店舗に供給する。

蜜漬けと梨 in ゼリーの工程が梨の食感を維持する。なぜ蜜からゼリーに移すかといえば、蜜漬けのまま店舗に運んでも甘すぎるためだ。in ゼリー化しておくことで、ゼリーごとすぐに盛り付けられる。店のオペレーションをいかに簡略化するかも、ミニストップの商品開発では欠かせないポイントだ。

梨にも品種がいろいろある。開発を担当した井野口裕介さん(第一商品本部インストア商品開発部)が重視したのは、日本人が思い描く梨のイメージだ。

商品名に「雪梨」とあるように、果肉には中国梨の一種である「ユキナシ」を採用したが、ソフトクリームと絡めて味わいの決め手になるソースには、日本のメジャー品種である幸水と豊水を使用している。

「いろいろな梨を食べ比べ、食感を残せるという加工適正から雪梨を選びました。ただ、香りや色味も含めた味わいを考えると、ソースには幸水と豊水が必要と判断しました。複数の品種をブレンドすることで、全体でこれぞ梨というバランスを目指しました」(井野口さん)

 

フルーツ加工の選択肢が広がる


 

チルド帯で入荷されることにより、店ではフローズン素材のように食べごろに解凍する工程が省ける。また、in ゼリーに加工することで、チルド帯でも十分な在庫期間を確保できる。梨という難しい素材に挑戦したことで、パフェのフルーツ素材を扱う技術的な選択肢が増えた。

ただ、in ゼリーによる商品化がどのように評価されるかは今回の結果次第でもあり、フルーツ本来の食感を残す方法として有効とはいえ、今後の商品に採用するかどうかはフルーツの種類にもよるという。

「食感が重要な梨ではゼリーでコーティングする方法しかなく、見た目としてもゼリーと梨の組み合わせは涼やかな見た目にまとまりました。ただ、すでに定着しているマンゴーなどで同じ方法を採った場合、ゼリーとマンゴーの混在はお客さまの期待を裏切ることになるかもしれません。再びこの方法を使う場合、どのような果実に採用するかはよく検討したいと思います」(井野口さん)

今年のフルーツパフェの商品開発は、梨で打ち止めとなる。秋以降は例年、ソフトクリームと和素材の展開が見られる。15年は和栗、16年は安納芋を使ったソフトクリームを商品化している。また、秋以降のパフェではこれまで、プリンやベルギーチョコを使った商品も開発している。今年も濃厚な味わいが特徴の商品を準備している。


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