ヤオコーのチャバタを食す。ところでチャバタとは?

 

ヤオコーがイタリアの有名パン職人を招聘してまで商品化したインストアベーカリーの新商品「チャバタ」を購入した。本体価格198円。17年9月24日時点では、旗艦店の川越南古谷店と、大型店のららぽーと富士見店でしか販売されていない。

この日のお昼時には画像のような食事パン1品しかなかったが、ピザやサンドイッチにもチャバタを使用した商品を広げる予定。

チャバタとは、誰にでも分かるように言えばフランスパン的なもの。やや専門的に言えばリーン系の食事パン。小麦と塩と水を原材料に、イースト菌で発酵させるのが一般的。洋風メニューに合わせて主食として食べられるから、いわゆる食事パンと分類される。

日本のベーカリーにフランスパン的なものは溢れており、例えばバゲットもパリジャンもバタールも、かたちと焼き方が違うとはいいつつも、リーン系で固めの食事パンであり、一般的にフランスパンと認識されている(私だけ?)。洋風メニューと合わせて提案するならフランスパンでも事は足りるが、あえてイタリア流のチャバタを提案するのがヤオコーの挑戦と言える。

 

イタリアンの食卓にフランスパン?
そこはイタリアパンでしょという説得感


 

フランスパンと言わないだけで差別化になるのはもちろんのこと、ヤオコーは以前からイタリアンのメニュー提案に力を入れてきた経緯がある。

フランス料理といえば、宮廷料理を思わせるようなコース料理しか思い浮かばないが、イタリア料理となれば、結局は外食料理とはいえ、パスタやピザやサラダやデザートなど、日本でもバリエーション豊かに展開されている。日常普段の食事を「豊かで楽しい」ものにしようというヤオコーのスタイルに、より合致しているのはイタリアンだ。

イタリアンの食卓にはイタリアパン。そのロジックには説得力があるだけでなく、繰り返しになるが他社があまり手がけていないために差別化の要素にもなる。

さて、素人にはフランスパンとの違いが定かではないチャバタのルックスだが、食べてみると外側は予想通り固く、内側はフランスパン(バゲット)に比べ予想以上にもっちりしている。軽くトーストした方が、外と内の食感のコントラストがはっきりする。

 

中のランダムな気泡が美味しいチャバタの証らしい

 

これと合わせるメニューは、妻君がこしらえた鶏肉と豆のトマト煮込み。パンをつけて食べる相性はとてもよかった。イタリアのパン職人が監修した本格イタリアパンを手頃な価格で食卓にというコンセプトの妙は、さすがといったところか。

 

パンの違いを知れば、味わい方も変わるはず


 

考えてみると、何気なくパンといっても種類は豊富だ。一口にワイン、おしなべて花といっても千差万別のように。ただワインとして飲むのと、ぶどう品種や産地、何年に収穫されたものかを認識した上で飲むのとでは味わい方が違う。目に見える花を全て花としか認識できない人と、個々の花の名前を知っている人とでは楽しみ方が違う。それと同じように、種類の違いを正確に認識することでベーカリーの世界は豊かになる。

とはいえ、私はヤオコーのチャバタを知るまで、イタリアパンというジャンルがあることさえ知らなかった。20年前にガストで食べたフォカッチャも、イタリアパンの一種らしい。日本の食パンは、イギリスパンの流れを組むもので、ずっしり重いシュトーレンはドイツの菓子パン。フランスは、いわゆるフランスパン以外にも、クロワッサンとかパン・ド・ミのようなメジャースタイルがある。私はパン・ド・ミも食パンだと思っていた・・・。実質的に食パンだが。

私には食パンだという認識しかなかったとしても、製造する側にそれぞれの意図があってイギリスパンとパン・ド・ミを使い分けているとしたら、それぞれの違いに注意することで食事の楽しさは深まるだろう。本当にあるのかな? という疑問も含めて。

ヤオコーが差別化商品として打ち出したチャバタ。これが押し並べて「食事パン」(もしくはフランスパンみたいに固いパン)の認識を超えて、イタリアパンを食べたい!というところまで浸透するかどうかは注目だ。少なくとも、食事パンの提案の仕方に業界の注目が改めて向くことだろう。


 

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