女性管理職は、口説かねばならない

2020年までに企業の管理職に占める女性比率を30%に引き上げるというのが政府の目標だが、総務省の統計では15年時点で12.5%といったところだ。(総務省統計局「明日への統計」2016)。国際労働機関(ILO)の統計(2012年のデータが中心)では、108ヶ国中の96位だった。30%に到達してようやく50位周辺といったところで、11年のドイツやイギリスに近づく。米国は11年で43%、まだ遠い。

30%ありきで女性の昇進を促進するなんて逆差別ではないか、と快く思わない男性社員も出てくるはずだが、働き方改革の文脈では強引にでも進めた方が全体のメリットになりそうだ。

女性が管理職になるには、それだけ長く勤めるのが一般的だろう。まずは女性が長く働ける環境を整えないと、労働人口の減少をカバーできない。女性が働きやすい組織環境を整えるには、組織(部署でもチームでも)のリーダーが女性であった方が早い。仕事のやり方は、どうしたって組織のリーダーに合わせる必要がある。

リーダーがワーキングマザーで、保育園の迎えに間に合う時間に帰らなければならないとしたら、組織はそれを可能にするような働き方を実現するしかない。仕事をシェアし、権限を移譲し、生産性を高めてこなしていくしかない。リーダーがワーキングマザーになった時点で、その人をリーダーから外す決断をしたら、生産性は改善しない。といった理屈である。



 

女性の9割は、管理職を望まない?

 

女性の管理職が増えることは、生産性の向上に適う。しかし女性の意識は、管理職に就くことにそれほど前向きではないという最近の調査がある。

キャリアインデックスが17年6月に公表した意識調査では、「管理職になりたいですか?」の問いに、87.3%の女性がなりたくないと答えたという。調査対象は過去3年以内に転職経験のある関東在住の有職者515名という。

女性の中でも20〜30代が16%前後と高く、実際に管理職に就きそうな年齢である40代では5%、50代では10%と低い。

一方、男性は平均で40.3%。20〜30代の意向は強くて5割前後。それから年齢と共に低下するものの、40代で4割近く、50代でも2割は切らない。

女性が管理職になりたがらないのは、環境が整っていないことも理由だろう。ただ、そもそも「なりたいですか」と聞かれたら、「いいえ」と答えるのが女性一般の気質のようだ。男性にもその傾向は強い。

 

望まなくても仕事はする。管理職もする。

 

トーマツイノベーションが自社で主催するセミナーの参加者を中心に行った調査によると、「管理職の役職を引き受けた理由」として、男性1126名の回答のうち最も多かったのが「直属の上司に説得され、その上司のために役職を引き受けざるをえない状況になった」で、22.5%を占めた。女性245名の最多回答も同じで、比率は32.2%に高まる。(トーマツ イノベーション×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する」)

管理職になる理由として、本人は「引き受けざるをえない」という認識が最もメジャーなのだ。

ただ男性の場合、「もともと昇進したいと思っていた」も20.2%と僅差で、「昇進することが社会や会社から認められることだと思った」も20.1%ある。女性は、いずれの項目も14%に落ちる。こうした傾向から、女性に管理職への就任を打診する際には「どうして私なのですか?」という女性からの問いに答えられることが重要と、トーマツイノベーションのプロジェクトは結論づけている。

上司との間に信頼関係があり、その人を管理職に就ける必然性があれば、「やりたいか?」と言われれば「いいえ」でも、実際には就任して仕事をしてくれる。その女性がリーダーとして適切で、上司も含めた周囲のフォローもあれば、組織の生産性は高まっていく。

これを女心といってもいいけど、性別に関係なく日本人に多い傾向な気もする。


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