POSレジがワイヤレスになったら・・・


多くの店で会計時にレジカウンターまで行かねばならないのは、そこでしか決済できないからだ。POSレジはその場所で電源につながれている。

かつてはあたりまえのことだったが、いまや、ただの思い込みになりつつある。

決済手段は持ち運びできる。レジがコンセントに縛られる必然性はない。そのようなモバイルPOSと呼ばれるいくつかのサービスが存在する。

そのひとつでウェブ広告や交通広告での露出が目立つリクルートライフスタイルの「AirPay」を流通ジャーナルの仕事で取材した。

「AirPay」は、磁気式・IC式・非接触式のすべてに対応する手の平サイズの読み取り機と、iPhoneかiPadのiOS端末の組み合わせで使用する。初期投資をかけずにキャッシュレス決済に対応したPOSシステムを導入できるということで、さまざまな業種の中小規模店が採用している。

ただ、AirPayの活用方法は、レジカウンターに固定されたPOSレジの代用にとどまらない。

手の平サイズの読み取り機と端末は、従業員が携帯して持ち運べる。電源コードに縛られないので、どこでも精算が可能になる。

接客のタッチポイントが、そのまま精算のタッチポイントになり得る。

衣類や家電製品でよくあることだが、従業員が付き添ってあれこれ見て購入する商品が決まったあと、レジまで案内してお会計となる。もし従業員がモバイルPOSを携帯していたら、商品を決めた瞬間に会計することもできる。それから商品を包装する業務や、家電なら配送手続きなどの処理も必要となるだろうが、そうだとしてもレジまで行く必要はない。

集中レジを完全になくすわけにはいかないが、接客と決済のタッチポイントが1つになることは、きっと勝機を増やすし、顧客の手間も省ける。

たとえばスーパーで弁当や寿司を買い、イートイン席で食べようとする。いちいち集中レジまで行くのは面倒でしかない。イートイン席で食べて帰るシーンを増やそうと店側も意欲的な昨今、イートイン席にスタッフを配置し、モバイルPOSで決済してくれたらスムーズだ。

Amazon GOの衝撃的なデモ映像を見て以来、業界ではレジレス化の可能性について関心が高まっているが、認識の精度や万引き防止などへの技術的な不安や、野菜や魚では扱えないよねといった現実的な観測も一般的だ。

モバイルPOSは、レジレス化を可能にするものではないとしても、決済ポイントをレジカウンターの束縛から自由にすることで、レジの固定概念を変えられる。少なくとも、購入するためには必ずレジに行かなければならないという前提はくつがえる。

POSレジがワイヤレスになることで、どのような商機が生まれるか。考えると面白そうに思う。

I believe in a wireless future.

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