なぜワインに氷を入れる飲み方が流行るのか?

この数年の間に、ワインに氷を入れて飲むというスタイルが普及・・・とまではいかないにしても、確立している。

メーカーも飲み方の提案にとどまらず、氷を入れて飲むことを前提にした専用品まで発売するようになった。

低価格帯のワインなら、変わったアレンジも気軽に楽しめると思いきや、スパークリングワインの「フレシネ」や、シャンパンの「モエ」でも氷を入れて飲む専用品が出ている。消費者の変化対応から一歩踏み込み、専用品の展開によって氷入りワインの裾野をさらに広げようという意気込みを感じる。

 

WINE ON ICEの新定義

 

ワインは、秋から需要が伸び始め、ボジョレー・ヌーボー解禁の11月を経てクリスマスのある12月にピークが来る。秋冬に強い酒類であり、とくにスパークリングワインはフライドチキンの需要と共に年末に向け売上が突出する。

ただ、ワインユーザーの裾野が広がるなか、春夏も冷やした白ワインやスパークリングワインの提案で売上は伸びていた。氷を入れるのが一般化すれば、より夏らしい飲み物として需要が高まる。

サントリーは今年、氷を入れて飲むスタイルに「WINE ON ICE」という名称までつけて取り組んでいる。一般的に、WINE ON ICEで検索をかければ下のようなイメージが出てくる。

 

画像のように、ただキンキンに冷やすのではなく、グラスの中に氷を入れて冷やし続けるのがサントリーのいうWINE ON ICEだ。氷が溶ければ味はもちろん薄まる。氷入り専用として開発した商品であれば、濃いめの味覚や、ちょっと甘みを効かせるなど、氷が溶けることを前提に味を作れる。

ただ、消費者はそういった商品が登場する以前から、自然とそのような飲み方を楽しんでいたのも事実。一般的なワイン愛好者なら、味が薄まるのを気にするところだろう。

 

氷を入れずにぬるくなるのは、氷を入れて薄まるより早い

 

このような飲み方は若い世代から広がるもので、ワイン以前にはリキュールに氷を入れて飲んだり、缶チューハイにも氷を入れて飲んだりしてきた世代だ。

そのノリでワインにも氷を入れるのか?と思うと、ますます抵抗を感じる人もいるだろう。しかし、もっと合理的な理由も考えられる。

ぬるくなれば、そりゃ美味しくない。

ビールみたいにぬるくなる前に飲みきるという方法は、アルコール度数がビールより2倍以上も高いワインでは無理という人も多いだろう。春夏に屋外でワインを楽しもうとすれば、あっという間にぬるくなる。

夏の炎天下ではぬるくなる・・・

ワインを急がずに飲みたい。だけどぬるいのは美味しくない。氷を入れることで問題は解決する。多少は薄まるとしても、許容範囲で飲み切れてしまう。

また、氷を入れて注ぐ以上、グラスも変わってくる。足の長いワイングラスではなく、ロックグラスに近いようなものが選ばれる。気取らずにカジュアルに楽しむ感じになる。

00年代後半からチェーン各社の直輸入ワインが増えたことや、最近のチリワインブームを経て、手軽に購入できるワインが増えた。ワインユーザーが増えたということは、それだけ気取らずに飲める酒になったということで、なんならコップに注いで、ぬるくならないように氷も入れちゃえと、そんな流儀も出てきたのではないか。という推測。


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