visaデビットの攻勢。コンビニで利用促進

Visaデビットは6月26日から8月21日まで、コンビニでの利用促進を図るキャンペーンの第2弾を実施する。

1000円、1500円、3000円以上のレシート(合算も可)でコースが分かれ、専用サイトに撮影したレシートを送信すると抽選でタニタのインナースキャン機などがもらえる。「見えるが当たる!」が企画の趣旨で、見えて嬉しい、安心的な賞品を揃える。

Visaデビットは17年初頭からテレビCMでも「残高見える、安心見える」のコンセプトをアピールしてきた。鍵は少額決済の利用であり、すでに広範なキャッシュレス決済が利用されているコンビニで、デビットカードの認知を上げようとしている。第1弾のキャンペーンは4月から6月25日までだった。まさに切れ目なく仕掛ける。

 

ブランドデビットが主流に

 

Visaが積極的に仕掛ける理由は、デビットカードの発行枚数が急増しているからだ。ここで言う急増しているデビットカードは、クレジット会社と組んだ「ブランドデビット」と分類されるもので、銀行のキャッシュカードに標準搭載された「J-Debit」とは異なる。

日本銀行決済機構局が17年5月に公表した「最近のデビットカードの動向について」 によると、ブランドデビットのカード発行枚数は、5年で5倍、16年末には507万枚と推定されている。金額ベースでは約5000億円、J-Debitの約4000億円を初めて上回った。J-Debitは05年をピークに漸減傾向が続いている。

J-Debitもブランドデビットも、決済すると銀行の口座から即時、引き落とされる点は一緒。しかしJ-Debitのピークアウトは必然的なものだ。理由を挙げてみる。

①ネット決済に使えない。

②利用可能な店舗数がブランドデビットの3割以下。

 

上記2つだけでも致命的だが、さらに

③海外で利用できない。

④決済確認メールが来ないなどサービス面で見劣り

 

といった弱みもある。VisaやJCBなどクレジット決済ができる店舗では同じように使えるブランドデビットに押されるのは仕方がない。

 



 

キャッシュバックはデビットの魅力か

 

ブランドデビットの優位性は確かとしても、クレジットカードではなくデビットカードを使う意味はどこにあるだろうか?

基本的にユーザーのお好み次第であり、口座から即時に引き落とされる方がいいか、クレジット会社をはさんで後払いにするのがいいかの差しかない。また、貯まるポイントの違いもある。

銀行口座にひもづくデビットカードの場合、ポイント還元だけでなくキャッシュバックをするケースもある。提携銀行によってさまざまだが、0.2%くらいの還元率が一般的で、なかには2.0%もキャッシュバックするものもある。クレジットのポイント還元と遜色なく、少なくとも預金の利子よりは断然、還元率がいい。金は貯め込むより使えということか。

デビットカードは、クレジットのような審査がない点もメリットだろう。銀行口座の金額分しか使えないから、与信管理がいらない。ブランドデビットは入会の年齢制限を設けているが、J-Debitは口座を開設すれば何歳でも持てる(キャッシュカードに標準搭載されているから)。

 

キャッシュレス中のマイノリティ。認知拡大のステージ

 

ブランドデビットも拡大中だが、キャッシュレス決済の全体からみるとまだマイノリティだ。先の日銀の調べでは、キャッシュレス決済のなかでクレジットが90%に上るなか、デビット決済は2%しかない。

とはいえ決済ツールは多様化の一途であり、利用可能な店舗が多いことはデビットカードの優位性だ。現金決済は手間だけど、クレジットカードを持てなかったり、心理的に抵抗がある人には選択肢になる。

Visaとしても、クレジットのインフラを活かせるのだから、デビットのユーザーを増やすことをためらう理由はない。今はとにかく認知を広げるステージと考えていることが、切れ目ないキャンペーンからも伝わってくる。


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