店頭のサイネージでCM動画? 他に伝えたいことはないのだろうか

デジタルサイネージの使い方は、ざっくり2種類に分かれる。

1つはテレビCMのように、限られた広告枠を販売する使い方。主に駅や電車内のサイネージはそのように運用されている。とくに電車内のサイネージは、中吊り広告が進化したものと言える。昔からあった中吊りの広告モデルがサイネージに置き換わっただけであり、運営側の事業モデルは変わっていない。

もう1つは店頭にサイネージを設置した場合の運用方法で、ほとんどが自社の商品やサービスを紹介している。これは広告収入を稼ぐための事業ではなく、看板やPOPなどを進化させた販促ツールだ。

 

店頭のサイネージは販促物。動画を流すためのモニターではない

電車内のサイネージはテレビCMを置き換えたもので事足りる。番組の合間に眺めるか、移動の合間に眺めるかの違いがあるだけだ。

店頭のサイネージは、本質的に販促物だ。そこで流した情報が購買に直結するべきであり、運用する側もそのような効果を期待しているにも関わらず、実際にはテレビCMと同じコンテンツを延々と繰り返していることが多い。

店頭までわざわざ足を運んでくれた顧客に、テレビCMを見せるだけとは消極的だ。店の情報をもっと意欲的に提供した方がいい。その方が顧客のためにもなる。なにせ、何らかの目的や期待があって店まで来ているのだから。

店頭のデジタルサイネージは、店の情報を提供するオウンドメディアであり、その場だからこそ意味をなす情報提供にこだわるべきだ。サイネージを、動画や音声が使えるモニター程度に認識しているからこそ、テレビCMと同じ動画を流して平然としていられる。もっとも、メーカーが用意した販促物の場合も多い。自社でコンテンツを制作している意欲的なケースでも、やっていることが動画の繰り返し再生に終始しているのはもったいない。

 

来店客に有益な情報を提供しようと考えては?

店頭のサイネージに、SNSで更新した情報をリアルタイムで流すサービスもあるという。曜日市や時間限定セールを告知しても、来店頻度や買上点数にプラス効果が出るはずだ。チラシでもSNSでも情報を届けられない顧客はいるもので、そういった人たちが店頭に来た際、サイネージで情報を届けられるかもしれない。

店舗は一般的に、顧客を外から引き込むための情報発信に気を取られがちで、これまではチラシ、今はネットやSNSをどうしようかと考えている。一定以上の規模があるチェーンストアは、そうした傾向が強い。それが重要であることはもっともだとしても、わざわざ店まで来てくれた顧客に、もっと店のことを知ってもらう工夫があってよさそうだ。

サイネージはそのためのツールだが、そのように使われている事例は少ない。

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