ONE PAY 個人への支払いにクレジット決済

 

送金アプリの課題、アプリ共有のハードルを解消


 

個人への支払いにクレジット決済が利用できる。集金や割り勘などちょっとした私的な決済に。それがウォルト株式会社が17年8月8日にリリースしたペイメントアプリ「ONE PAY」だ。

もちろん小規模の事業にも利用できる。塾や稽古の月謝、保育園の給食費などでクレジット決済ができるのは便利だ。しかも受け取る側だけがアプリをダウンロードし、支払う側はクレジットカードを差し出すだけ。受け取る側がスマホ搭載のカメラを使ってカードをスキャンすると、支払いが完了する。

つまり支払う側と受け取る側はアプリを共有しなくてもいい。そこがこれまでの送金アプリとの違いだ。

 

ONE PAYを使った決済の流れはこれまでの送金アプリに比べても簡潔

 

個人間の送金(または月謝や給食費などの支払い)のために、同じアプリを皆がダウンロードし、アプリ内に金銭的な価値をチャージしなければならない・・・。このハードルはかなり高い。現金で払った方が早い! 銀行口座に入金するからいい! そんな声が上がるのは当然に思える。

とはいえ、個人間のお金のやり取りのために現金を用立てるのは手間だし、銀行のATMまで行くのも面倒には違いない。店で支払うときのように、クレジットカードを差し出すだけで済むなら本当に手間いらずだ。

クレジットカードは、Visa、Mastercardに加え、American Expressにも対応する。これまでの送金アプリは、Visa & MasterCardか、JCBだけという例が多かった。

ONE PAYの支払いソリューションは、シンプルの中でもスーパーがつくほど簡潔なのだが、問題は手数料だろう。負担をするのは受け取る側で、決済ごとに5%かかる。支払われた金額を銀行口座に出金する際にも300円の手数料が必要になる。

 

利便性だけでは普及しない?
キャッシュレス社会を阻む手数料の課題


 

何かの集まりで会費の徴収や割り勘をする際に、5%の手数料負担は厳しい。幹事の負担としても厳しいが、それなら手数料も分担しようとなると、計算が面倒になる。

また、事業主がこのサービスを利用するハードルも高そうだ。月々1万円のサービスを提供しているとすれば、1人あたり500円の手数料が取られることになる。顧客10人で5000円、20人で丸々1人分の売上が飛んでしまう。そんな利率を事業主が受け入れるだろうか。現金で徴収して、他行からでも自分の口座に入金した方が、はるかに手数料を抑えられる。

おまけに銀行口座への出金手数料300円は、他の送金アプリの手数料と比べて割高だ。LINE Payで銀行口座に出金する場合は216円、割り勘アプリ「paymo」なら200円で出金できる。

ONE PAYはスーパーシンプルな支払いソリューションだが、手数料率はシンプルな設定ではあるものの、なかなかヘビーだ。

 

料金体系もシンプルだが・・・。

 

現状、あらゆるキャッシュレス決済に手数料の負担はつきものだが、利用者が受容できる負担になっているかというと微妙だ。ある程度の規模をもつ企業相手ならともかく、送金アプリを利用する感覚は、個人の金銭感覚に限りなく近いだろう。

個人の金銭感覚は、消費税が数%上がれば冷え込み、2%の引き上げを何度も先延ばしにせざるをえないほど敏感なものだ。キャッシュレス決済がドラスティックに浸透するには、手数料の枠組みを創造的に破壊する必要があるかもしれない。


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