イオンが2016年6月から本格的な運用を始めた新しいポイントプログラム「WAON POINT」は、3種類のカードで貯められる。
これまでのWAONポイントと何が違う?
これを理解するのは、けっこうたいへん。名称の違いはカナ表記と英文字の違いだけで、読み方は同じだ。さらに3つのカードごとに、ポイントの貯まり方と使い方が異なる。
なぜ、ポイントは同じ名称!? カードの違いは何? どれがお得なの?
そんな疑問が連鎖反応を起こすが、いっぺんに考えると話はこんがらがるばかりだ。
まずは新旧ポイントの本質的な違いを押さえたい。
そして3つのカードで異なるポイントの貯まり方と、ポイントの使い方を確認する。
カードの違いが分かれば、自分にとって必要なカードも見えてくる。3枚のうち、どの1枚を持つか、あるいは1枚も持たないか。二択に絞られると思う。
旧ポイントは、電子マネー決済に付随するポイント
旧ポイントは、電子マネー決済をしたときだけ発生するものだった。
旧ポイントを貯められるのは、以下の2種類。
①電子マネーカード
②クレジットカード(電子マネーとの一体型)
②のカードは、クレジット決済ではポイントが付かない。電子マネー決済のときだけ付与された。ただし、クレジット決済をすると「ときめきポイント」というクレジット独自のポイントが付与された。
また、クレジットカードで電子マネーをオートチャージした場合、チャージ金額分のときめきポイントが発生するうえに、電子マネーで購入すればWAONポイントも付いた。電子マネーという一種の商品券を購入するためのクレジット決済と、その商品券で何かを購入したときに発生するプレミア(ポイント)は別のものということだ。
新ポイントは、TカードやPontaのようなもの
現金決済も含めてポイントが発生する
新ポイントは、電子マネーに限らず、現金でも商品券でも、ギフトカードの決済でも付与される。電子マネーに縛られていた旧ポイントと、そこが違う。
TカードやPontaと同じようなポイントシステムをイオンが始めた。そう考えると分りやすい。
新ポイントが貯まるのは、
①電子マネーカード
②クレジットカード(電子マネーとの一体型)
以前と同じ2種類のカードに、
③ポイント専用カード
が加わった。この新しいポイント専用カードから整理したい。
ポイント専用カードの使い方
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このカードは、ポイントを貯め、貯めたポイントを使用するだけのカードだ。決済手段は別に必要になる。
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購入金額200円ごとに1ポイントが貯まる。
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貯めたポイントの使用は、レジで申し出てカードをスキャニングしてもらうだけ。
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カードの使用には専用サイトsmart WAON での会員登録が必要になる。
電子マネーカードの使い方
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このカードは従来の電子マネーカードを新システムに移行したもの。
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以前と同様、電子マネー決済によってポイントが付与される。
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貯めたポイントの利用方法も以前と変わらない。店頭のWAONステーションでポイントを電子マネーに交換してから使用する。
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言い換えると、ポイント専用カードのように、口頭で申請しても使えないということ。利用者もレジ係の人も、ここが混乱しそうだ。
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専用サイトsmart WAON で会員登録をすると、新ポイント付与される。登録をしないと旧ポイントが付与される。ここで旧ポイントが出てきてしまうのも分かりづらくさせる要因だ。
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新ポイントに移行すると、200円で1ポイントの付与とは別に、月間の利用金額によって500円ごとに1ポイントのボーナスポイントが付与される。
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会員登録をしないと旧ポイントのままで、ボーナスポイントは付与されない。
クレジットカードの使い方

イオンクレジットサービスHPより
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このカードの支払い手段には3種類の方法がある。クレジット決済、電子マネー決済、現金その他だ。
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クレジット決済の場合、付与されるポイントはときめきポイント。
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電子マネー決済の場合は、電子マネーカードと同じルールの新ポイント。月単位・500円ごとのボーナスポイントも付く。
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現金決済でたまるのはポイント専用カードと同じルールの新ポイント。
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ポイントの利用の仕方は、ポイント専用カードと同じ。レジの支払い時に口頭で申請すれば使用できる。
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つまり電子マネーで支払ったポイントも、WAONステーションでの変換手続きなしで利用できる。同じ電子マネー決済でも、カードによってポイント利用の仕方が異なる。これも現場の混乱を招きそうな部分だ。
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会員登録はカード作成時のデータで自動的に行われる。
3つのカードの違いで、重要なところをもういちど整理。
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ポイント専用カードで貯めたポイントは、レジ決済時に口頭で申請すれば利用できる。
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電子マネーカードは、貯めたポイントを利用するのにポイント変換の作業がいる。しかし通常ポイントとは別に、利用金額に応じたボーナスポイントが付与される。
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クレジットカードは、電子マネーで決済すればボーナスポイントが付くし、ポイント利用は口頭の申請で可能。
ややこしさの要は、電子マネーカードだけポイント利用の方法が違うところ
ポイントの貯まり方は、電子マネーカードとクレジットカードにメリットがある。
ポイントの利用の仕方は、電子マネーカードだけポイント変換の手間がかかる。
それにしても、電子マネーカードはポイント変換の手間をはさまずに、ダイレクトにポイントを利用できる仕組みにならなかったのだろうか・・・。
ポイント専用カードとクレジットカードは、裏面に磁気テープが入っている。しかし電子マネーカードにはない。この仕様の違いで、ポイントの利用方法が変わってくるのだろう。
電子マネーカードをIC+磁気ストライプカードに刷新すれば、ポイントの利用方法は統一できそうに思えるが・・・。すでに発行した大量の電子マネーカードを活かすためだろうか。
Smart WAONをうたう新ポイントプログラムは、家族間でのポイント合算や友人とのシェアなど多機能ではあるものの、使い方の全体像はシンプル、とは言えない。