ミニストップはカウンターで勝負する。2017年下期の施策

 

カウンターで勝負! あしたのジョーではない。ミニストップの藤本明裕社長は17年度下期の政策として、カウンターで提供するファストフードで来店動機を作り、客数アップを目指すと語る。

「ミニストップでエッジを立たせるとすれば、まずはファストフード。経営資源を集中した『単品集中販売』を推し進め、ヒット商品を継続的に生み出したい。ファストフードは初週で1店あたり日販50個をクリアできる商品を目指していく」(藤本社長)

 

藤本明裕社長

 

ミニストップの店舗機能で、コンビニ大手3チェーンにはないもの、それが店内厨房を標準装備していることだ。店内加工のソフトクリームやハロハロは他社にない看板商品であり、フライドポテトなども揚げ直して提供する。外食ではないので複雑な調理をするわけではないものの、他のコンビニではかけられない一手間を加えることで差別化する。

上期は7月発売の「ハロハロ果実氷いちご」が単品集中販売の成果となった。かき氷ではなく、冷凍いちごをスライスして重ねた新発想スイーツの効果で、同月のコールドスイーツは昨対21.5%増、ファストフード全体では7.4%増、既存店の売上は1.8%増となった。

 

17年夏のヒット商品となった「ハロハロ果実氷いちご」

 

「単発の成功では意味がない。これを継続できるよう組織を改変した。商品本部は商品・売場開発に専心できる体制とし、以前は商品本部に組み込まれていた物流、マーケティングを別に移管した。『果実氷いちご』のような商品を継続することで当社商品に対するお客さまの期待を高め、さらには店舗全体のブランディングにつなげたい」(藤本社長)

 

海外の成功商品も続々投入


 

下期の単品集中販売アイテムとして、筆頭に挙げるのは11月発売のベルギーチョコソフトだ。今年は税込220円の通常タイプに加え、330円のプレミアムタイプを投入する。

強化中のホットスナックは、フライドポテトの新機軸として10月に「ポテさつま」(198円)を発売する。皮付きの国産サツマイモをフライドポテトのように揚げて塩をまぶす。これにハニーメープルシロップを付け、よりスイーツらしく仕上げた。

海外ミニストップのヒット商品も、国内仕様で展開する。

韓国で売れ筋の「ビッグドッグ」は、アメリカンドッグを韓国の好みに合わせて開発したもので、ソーセージを太く、それを包む生地部分を薄くしている。また、ベトナムで好評の果肉入り「ピーチティー」や、中国で販売するスチーマーで加温する「蒸し餃子」の展開を予定する。

そのほか、都内で実験中の業態「シスカ」の人気商品「三元豚のロースとんかつサンド」を11月に全店に広げる。店内で仕上げるカツサンドだが、オペレーションの手間は最小限に絞り込んだ。

商品本部長の中山博之執行役員は、「商品・店舗への期待は、客数に現れなければいけない。これまでは既存商品の改善にとどまり、他社や他業態からの取り込みが不十分だった。突出した価値の創造に施策を集中させ、店舗の集客につなげていく」としている。

中山博之執行役員

 

 

カウンターの一手間を補うため、業務の合理化も


 

カウンター勝負! は、商品に一手間をかけるだけではない。一手間でも業務の負担だ。かかる負担分を補うため、カウンター業務のオペレーション改革を進める。

その第1弾が、9月15日に始まる収納代行のペーパーレス化だ。ブリースが提供するスマホアプリの収納代行サービス「PAYSLE(ペイスル)」を、コンビニではいち早く導入する。

公共料金やネット通販のコンビニ支払いは、送付された請求書を店頭に持っていかなければならない。利用者にとっても手間だが、レジ係の業務負担も大きい。ペイスルの利用客は、事前の登録で請求書の通知がスマホに届く。店頭ではアプリで表示するバーコードをスキャンしてもらい、料金を支払うだけで完了する。レジ係は、受領印を何度も押したり、控えを切って手渡したり、請求書を保管するといった業務を削減できる。

また、来期以降にセミセルフレジの導入を予定する。レジ係はスキャンして袋詰めをして、合計金額が出た後の支払いのやり取りは顧客に任せ、すぐさま次の顧客の会計に取り掛かる。

「レジ2台を1名で回すイメージで、業務全体の合理化につなげたい。つまりファストフードの加工に専任する人や、売場メンテに専任する人といったワークスケジュールを実現したい。業務を特化することができれば、シニアや外国人などの採用も広がる」(藤本社長)

また、ファストフードのオーダーにはタッチパネルでの受理を検討する。今期中の実験を予定するが、詳細は未定だ。いずれにせよITを活用することで、カウンター業務、さらには店舗全体のオペレーションの合理化を進める。


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