LINE Pay、送金のハードル下げる CLOSING THE DISTANCE

 

LINEのペイメントサービス「LINE Pay」は、11月中旬に予定するリニューアルで、本人確認なしの送金サービス「ポチ送金」を導入する。

これまでLINEから誰かに送金する場合、身分証明書のアップロードや銀行口座の登録が必要だった。国際テロ組織をはじめ、やばい系の資金流通に利用されないためにも必要な処置だったわけだが、登録の手間がハードルになっていたのだろう。もっと気軽に使ってもらうために、簡略化してハードルの解消を図る。

それでは資金の悪用をいかに防ぐのだろうか?

LINEは、送金されたお金の用途を制限することで安全性の担保とする。これまでは手数料(216円)を払えば銀行口座に換金(キャッシュ化)できたが、本人確認なしで送金された金額は、LINE Payとして利用するしかないことにした。

現金への還元ルートをあえて断つことで、LINE内でよりスムーズに流動する環境を目指す。

この件に関するLINEのリリースに「友だちとの食事代や買い物代の割り勘に、ぜひご利用ください」と書いてあるように、コミュニケーションツールとして円滑に利用してもらうために、支払いの流動性を犠牲にしたわけだ。

 

お金のやり取りはコミュニケーションの一部


 

ペイメントサービスにおけるLINEの基本戦略は、数多あるキャッシュレス決済ツールの中でも独特だ。LINEは、メッセージも金融も、どちらもコミュニケーションの一形態ととらえている。

言葉を介してコミュニケーションを取るように、金銭的な価値を介したコミュニケーションもあるというスタンスだ。リリースの中で「気持ちと一緒にお金もやりとりできるようになります」と書くように、LINEにとってお金とは、コミュニケーションツールの一環と位置づけられている。

この基本的な考えを基に、LINEのペイメント戦略は次のような方針をとる。

お金の流通で生じる時間や手間、手数料など様々な摩擦をゼロにし、人とお金・サービスの距離を近くします

同社のミッションである CLOSING THE DISTANCE(世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮める) を、フィンテックにもそのまま当てはめている。

そしてモバイル領域のポータルとして、今やPC領域のYahoo! JAPANを凌駕するほどの多機能性を獲得したLINEと、LINEが提供する環境にどっぷり浸ったユーザーからすれば、LINE内だけで流通するお金で十分に事足りるかもしれない。

本人確認なしのポチ送金は、1日MAXで10万円まで送金できる。1日10万円分のLINE Pay・・・。コンビニでも楽天でもヤフーショッピングでも使える。実際、生活のおおよそのことは賄える。

もちろん、本人確認をしたユーザー同士なら、従来通りキャッシュ化できる送金も可能だ。


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