クレジット決済からみる消費動向。「JCB消費NOW」スタート

以前にも取り上げた新しい消費統計「JCB消費NOW」の第1回配信が5月1日にあった。

情報利用に同意したJCB会員のクレジット決済データを基に、総合、外食、ドラッグ・医薬品、ファミレス、ガソリン、ECの6種類について、2015年4月を基準とした「原指数」と「前年比」が示された。

3月(確報)の総合指数は、原指数で114.9、前年比は110.3%と高かった。5つの業種別に見ても原指数、前年比ともプラスになっている。2月は業種によっては前年を割っていた。もちろん昨年が閏年だったことで、営業日が1日少ないことも要因になっている。

JCB消費NOWの指標は、繰り返しになるがJCBでクレジット決済をした人のうち、データ分析を許諾したIDだけを分析した統計だ。決済のリアルデータを基にしている正確さと速報性は魅力だが、クレジットよりは現金決済の比率が高そうな業種も混じっている。そもそも決済手段としてクレジット決済はマジョリティではない・・・。

世に完璧な統計調査というものはなく、JCB消費NOWもそのようなものの1つではあるが、実際の決済データに基づいた指標であることは魅力だ。JCB会員の分布も全国のさまざまな年齢層にばらけており、統計的には充分な妥当性を確保できているらしい。

 

やはりECは猛烈に伸びている

業種別の指標のうち、個人的に期待しているのはEC消費で、この分野だけはクレジット決済がマジョリティを占めていると思われる。

EC消費を見ると、3月は原指数が181.4、前年比は156.1%と突出していた。原指数の最高値は16年12月の220.1だ。EC消費は16年5月以降に大きく伸びており、10月以降は150以上で推移している。去年より1日少ない2月だけは144.5と150を割っているが、実質は超えたも同然と思われる。

ほんの2年前に比べECの売上が1.5倍以上とは・・・。ヤマト運輸が音をあげた背景はこういうことかと思わせる。と言ったロジックに使える指標になるのだろうか? 記者は指標を使って記事を書くことがあまりない業種なので、使い方がよく分からない感もある・・・。

JCB消費NOWを閲覧するには会員登録が必要だ。今のところ無料だが、ゆくゆくは有料化するらしい。統計発表は月2回で、締め日から15営業日で公表という速さ。公表データも地域軸を入れたり、業種を広げる予定という。

もっとも、ただの指標にとどまるうちは、クレジット決済のデータ活用としては物足りない。クレジット情報は業種どころか店舗別にも把握できるはずだし、ID別にどれだけの店舗をどのように利用しているかも知れるはずだ。これはビッグデータの本格活用に向けた初めの一歩だろう。さらに野心的なサービスの展開を期待したい。

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