イケア、商品と売価ダウンで巻き返せるか?

 

17年8月末に成長鈍化と報じられたイケアだが、そのときの会見では巻き返し策として全アイテムの1割を平均22%値下げするとか、著名デザイナーとのコラボや、ペット家具の充実といった取り組みを説明したようだ。オンラインショップも17年になってようやく稼働し、都心部への出店も検討中といわれている。

あらゆる施策を転換しているという印象を受けるなか、都心進出やペットライフその他の商品施策の布石となるのか、9月14〜16日に東急田園都市線・二子玉川駅の商業施設「二子玉川ライズ」でイベントを開催する。

 

いつか本当に出店する日も来るのだろうか?

 

イケアの体験というコンセプトで、ルームセットや商品を展示するという。ペットライフの関連企画で、犬や猫のモデルオークションを開催する。その場で撮影した写真をインスタグラムに「#イケアペット」で投稿すると、グランプリに選出されたペットは後日、プロが撮影し直してイケアのHPやSNSの素材として使用するという。なんかメリットはあるの? 副賞はペット向け商品だそうで。

ところで、オサレ玉川にペットを連れて行くなら、こんなリュックでしょうかね。

 

左がランドセル、右がリュックタイプ

 

イケアとは関係ない商品だけど、たまたま9月4日再発売とのリリースが出ていた「アニマランドセル」と「アニマリュック」。「ペットが宇宙船に乗っているよう」と話題になったというが、さもあらん。正規輸入販売日本代理店はグローバルワン社。直販サイトでは両タイプとも1万3500円になっている。

あざといくらいのフォトジェニック商品だが、カゴで運ぶより機能的とも思える。イケアとは何の関係もないが、猫を入れてみたいと思ったので取り上げました。飼ってないけど。

 

知名度のわりに出店は進まず


 

知名度は高いイケアだけど、二子玉川の人が実際に訪れる機会は少ないかもしれない。一番近いイケアで横浜市港北。車で20分くらいだから、思ったより近いか。しかし、二子玉川まで足を伸ばした23区内の人からすると、さらに遠くなる。

イケアの出店は郊外を中心としてきた。06年の1号店から17年10月オープンの長久手店(愛知県)で、ようやく10店になる。いかにイケアが大型店とはいえ、北は宮城から南は熊本まで散らばって10店とは・・・。16年度の年商は減収で767億円、営業利益は16億円となり、ピーク時の18%に落ち込んだというから、どうしたことでしょう。

 

ライバルはニトリや無印? いやいや。
希薄な店舗網と配送料がネックでは?


 

ニトリや良品計画に押されているという言われ方もされるが、400店以上を展開し、売上は数千億円規模の両社とイケアでは、比べる次元にあるとはいえない。

両社との競合を考える以前に、イケアの商品にリーチできないという人が多すぎる。

埼玉暮らしの私は、幸いにもニトリ、無印、イケアを比較できる環境にある。これまで何度も3社の商品を比較して検討したし、今もしている。イケアの商品をいくつも購入し、多くは経年劣化によって廃棄したが、ダイニングテーブルは10年も使っている。

イケアの商品には夢があって買いたくなるが、行ける範囲とはいえ自宅からはるかに遠くの店まで出かけ、他社と比べてかなり高い配送料を支払うことに気後れし、ここ数年は購入の機会がなくなっていた。うちは電車でイケアまで行くから、家具を購入すれば確実に配送オプションになる。

かつては販売チャネルをリアル店舗に限定することでオペレーションをシンプルにし、商品の低価格化につなげるというポリシーだった。それを撤回してまで始めたオンラインストアだが、やはり配送料が相対的に高い。

商品価格を下げるよりも、配送料を何とかした方が印象はいいように思う。イケアの顧客は、リーズナブルにオシャレ家具を楽しみたい人なのだから、配送料は当然のこと気にするだろう。

店舗のロケーションと配送体制の問題が改善されないと、イケアにアプローチできる顧客は増えないように思う。ブランド力の問題というより、物理的な距離と配送コストの負担を、潜在的な顧客は受け入れられない。少なくとも、かつて顧客だった私は受け入れられないと考えている。

競合他社にやられたというより、ここ数年のネット通販のスタンダードとの乖離が甚だ過ぎたように思う。もっとも、宅配業界が見直しの途上なので、これからは相対的な差が縮まる可能性もあるが。


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