スーパーの会員サイトに絶対あるべきなのに、ほとんどない機能

スーパーマーケットの会員向けサイトやアプリが急増している。
提供する企業側の目的は何だろう?
 
きっと次のようなところだ。

①カード会員をもっと囲い込みたい。 
②確実にセール情報を届けたい。新聞に折り込みチラシを入れるよりも効果的に。
 
そんな思いが見て取れる。ただ残念なことに、アプリの内容はそんな思いを叶えるものになっていない。
 
スーパーの会員向けサイト、もしくはアプリの機能で一般的なのは、
 
①累計ポイントの確認
②画面にバーコードを表示してカードの代用に使える
③チラシの閲覧
 
これらはカード申請時にある程度の個人情報を登録し、サイトやアプリにログインしてまで知りたい内容だろうか? 先に挙げた項目には、わざわざアプリを介すまでもない理由を挙げられる。
 
①スーパーのポイントは、一定額で自動的に割引クーポンが発行されるケースが多い。一定額に届かなければ使いようがない。仕組みとして、累計ポイントの途中経過を知る動機は低い。
②会員カードを携帯していれば、わざわざスマホにインストールする必要がない。
③チラシは誰でも閲覧できるし、その特売内容は自分のためにカスタマイズされているわけでもない。
 
日々アプリをチェックする動機になり得るものを強いて挙げれば、チラシの確認くらいのものだ。しかし商品検索ができるわけでもない。やれることはといえば、紙用に作成したチラシを眺めるだけ。
 
商品検索は、ユーザーにとっては確かに必要な機能の1つだろう。
 
しかしスーパーの場合、1万点に近い商品があり、生鮮品などは毎日のように売価が変わる。それだけの情報を日々メンテナンスするのは大変だ。
 
もっと手間いらずで、ロイヤルカスタマーほど便利な機能を提供できる方法がある。それも既に取得している情報に基づいてやれることだ。この機能があれば、ユーザーがアプリを利用する機会は確実に増える。
すなわち購買履歴を確認できること。


購買履歴の参照。実現可能な改善手段

購買履歴を確認できれば、顧客にとっては家計簿をつける負担の軽減になる。
 
家計簿をつけようと思った人なら、誰でも思うはずだ。
 
購入頻度の高いスーパーの買物は、工夫次第でもっと節約できるはず。
 
しかし、家計簿で購買の実態を把握しようと取り組めば、すぐに悟るはずだ。
 
買ったものの項目が多すぎてチェックしてられない。
 
私は以前、チェーンストア別に総額だけをチェックしていた時期もある。それだと家計簿として有用なデータの収集にならず、自然にやめた。
 
スーパーの買物は、購入するものが恐ろしく多岐にわたり、頻度も高い。自助努力で記録をつけられるものではない。
 
過去に自分がどんなものを購入したかの履歴を追えるなら、専用サイトにログインする動機になる。
 
先週はどんなものをいくらで買ったか?その情報、スーパー側はすでに収集していて顧客分析に利用している。自分たちの顧客にも、既にある情報を公開すればいい。顧客は購買履歴を見るために、アプリをもっと利用するだろう。
 
購買履歴の確認は、ネット通販ならあたりまえの機能だ。ネットでは有用で、リアルに不用なわけがない。
 
そもそもリアル店舗だって、レシートというかたちで購買履歴は提供している。とはいえ月に何十枚も溜まるものを管理し続けるのは、顧客にとって容易ではない。そこはITで、顧客の不便を解消するのが親切であり、お客さま目線の姿勢だろう。

全日食チェーンが会員サイトで購買履歴を提供

顧客に購買履歴を提供する最初(と思しき)スーパーは、なんと全日食チェーンだった。
 
スーパーとしては零細企業の集まりであるボランタリーチェーンの全日食が、16年9月に稼働した会員向けサイトで購買履歴を提供している。履歴の確認は直近2ヶ月までという制約はあるものの、可能にしたこと自体が画期的だ。
 
履歴の確認だけではない。購買履歴に基づく自分だけの特売サービスの情報を受けたり、割引サービスを受けられる商品をチョイスする機能もあるようだ。
 
ようだというのは、生活圏に全日食の加盟チェーンがないので実際を確かめられない。ログインするには加盟店が発行する会員カードが必要になる。
 
29.08

全日食の会員向けサイト

スーパーの情報システムとして、実は全日食チェーンはここ10年というもの、ずっと先進的だ。
全日食チェーンの本部は購買履歴の分析を地道に続けてきた。零細店舗の集まりだからこそ、本部はシステムで支えるという方針を貫いてきた。
 
システムを磨き続ける風土があってこそ、先進的な会員サービスも可能なのだと感銘を受ける。
ただ、購買履歴の提供だけなら他のチェーンも真似できるはず。
 

購買履歴が分かるだけで、顧客はその店で買物することへの関心を高めるだろう。まして家計管理の手助けになれば、掛け値なしに顧客から喜ばれるサービスになる。


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