ファミマの惣菜「ファミ横商店街」の新シリーズ、母の一品料理「お母さん食堂」

ファミリーマートは、惣菜のプロモーション「ファミ横商店街」によって中食需要の取り込みを強化している。

中食とは、家庭で作る内食と外食の中間。完成されたメニューを購入し、家に持ち帰って食べる商品のことだ。弁当や麺類、パンなどのほか、ご飯の一品になる主菜・副菜も含めて中食の範疇になる。

内・中・外を合わせた食品市場を、ファミリーマートは60兆円を超えるマーケットと推計する。このうち伸びているのは中食市場で、16年度は約10兆円、10年度対比で21%増となっている。対照的に、内食・外食は人口減少のなかで売上を落としている。

コンビニの中食売上は16年度が3.2兆円で、6年間で45%増となった。そのなかでファミリーマートの中食売上も10年対比で68%増と伸びている。平均日販も7%増だが、もっと伸ばせるという思いが今期の中食プロモーションにつながっている。

 

惣菜、中華まん、おでん。ファミ横商店街に集結


 

売上増を目指すファミリーマートの中食戦略、テーマは2つだ。リピートの増加と、新規のトライアル喚起。

リピートの獲得は、食べたときの美味しさ・満足度にかかっている。新規の獲得には、商品価値を伝えるプロモーションの実践が必要になる。

そこで17年6月から新たなマーケティング活動が始まっている。社長直轄のマーケティング委員会を立ち上げ、営業・商品・広告宣伝と組織の枠を越えたミーティングを週次で開催している。この場で決定された方針のもと、あの「ファミチキ先輩」を中心とした広告コミュニケーションで売り込むべき商品を徹底的に訴求する。

こうした全体戦略のなかで、中食は「ファミ横商店街」の大枠に再編された。

看板商品のファミチキをはじめ、旧サークルKサンクスの商品をリバイバルした焼きとり、8月に刷新した中華まん、おでんもファミ横商店街の傘下で美味しい中食の世界観を作り出す。

9月26日には従来「ファミデリカ」として展開してきた惣菜シリーズの名称を「お母さん食堂」に一新し、ファミ横商店街の新カテゴリーに加えた。お母さん食堂の名称そのものがシリーズのコンセプトを示している。「自然で、温かみがあって、美味しい」「子供や家族みんなに安心して食べさせられる食事であること」が商品づくりのテーマだ。

パッケージの形状は多岐にわたり、ガス置換充填で保持するトップシール商品、パウチタイプのスタンドパック、袋入、ワンハンド、レンジアップなど温度帯の枠を越えたラインアップを展開する。

 

お母さん食堂シリーズの幅広いラインアップ

 

きんぴらごぼう(税込168円)、切干大根煮(同158円)、ポテトサラダ(同127円)といった副菜から、鉄板焼きハンバーグ(同348円)のようなメインディッシュ、おつまみなどメニュー展開の幅も広い。

 

業態の垣根を越えた中食の争奪戦


 

中食カテゴリーの強化を進めるのは、それが伸長市場であるばかりでなく、首位チェーンとの差でもあるからだ。

商品と物流・品質管理を統括する佐藤英成常務執行役員は、「中食の構成比が首位に追いつくようになれば、日販も近づく」と語る。差益率の高い中食を伸ばすことは、加盟店の収益改善にもつながる。

ただ、中食はスーパーやドラッグストアも取り組みを強化しており、異業種とのシェア争奪戦の様相になっている。

「スーパーの中食は、従来の持ち帰る前提から、食べて帰るスタイルが広がりつつある。ドラッグストアもこの分野にチャレンジするようになり、中食の買い方・食べ方が変わろうとしている。ドラッグストアに比べると、コンビニは高い収益性が求められる。他の業態に対抗して安さを打ち出すことはないとしても、上中下で構成する価格構造のバランスは変わることもありえる」(佐藤常務)


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