コンビニより多い歯科医院。課題は過当競争だけじゃない?

 

自宅から最寄りのコンビニまで700m。700mもあると、カウンターコーヒーを買って歩いて持ち帰るという距離ではない。コンビニとしてはむしろ遠い。さらに1km前後に3店舗ほどあるが、もうちょっと近くにあればいいのにと思う。

ところで自宅から4方向に散るコンビニ4店までの道には、歯科医院も4軒ある。コンビニよりも近くにこれほど歯科があるなんて・・・、無意味では?

厚生労働省の「平成 27 年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、15年時点で歯科診療所は全国に68,737施設あるという。コンビニは17年6月で55,000店余り。むしろコンビニより近くに歯科が同数あって、当然だった。気づいていないだけで、まだ歯科があっても不思議ではない。

こんなにあっては歯科医も過当競争だろう。「歯科医は儲からない」、「貧困歯科医」といった報道もされるはずだ。

 

担い手を絞れば、医師の高齢化に直面


 

国も2000年ごろから国家試験の合格基準を厳しくするなどして対応をしてきたらしいが、今後はいっそう厳格化する方針という。

ただ、医療法人SGH会すなまち北歯科クリニックの橋村威慶さんが「歯科医師は過剰なのか」で指摘されているように、若い歯科医師の供給を絞れば、やがて歯科医師の高齢化問題に直面する。

すでに40歳未満の歯科医師は全体の25.8%で、20代は6.9 %という。歯科医の75%以上が40歳以上。老眼で手元の視界がおぼつかなくなっても、歯は治療できるものなのだろうか? と思ったりもするが、それはさておき20年後の世代別構成比は恐ろしいことになりそうだ。

また、大学入学時点の女性比率は増加しているようで、今や働く歯科医師の4人に1人は女性という。ここで問題になるのは子育てとの両立で、30代以降で離職の割合が高まるが、復職の支援は皆無という。(いずれも前掲「歯科医師は過剰なのか」参照)

歯科医師の問題は供給過剰ではなく、都心部への偏りにあるとも言われている。地方では歯科医が不足している実態もあると。地域の偏在や担い手の高齢化、こんなところもコンビニと似ている。

都心部で店を構えれば競争に巻き込まれるが、地方に出ていってもマーケットとして成立しない恐れがある。コンビニでも歯科医院でも、店を構えるには投資もかかるし、人口の多いところに出たいのは仕方がない。

街づくりからグランドデザインを考えないと施設の偏在は解消されないが、高齢化する世の中で散らばって暮らすのも非効率・・・。コンパクトシティの方向性は、今も大部分の地域で指針となっているだろう。

 

患者が歯科を選ぶための情報は不足気味

 

歯科医院がそこらじゅうにある以上、利用する方は通院先を選ぶ。

ところが歯科の場合、判断したくても個別医院の情報が不足している場合が多い。

アウトオブザボックスが運営する「歯医者の選び方」は、歯科医師が奨める歯科医院の検索サービスを提供している。歯科医師が実名で推奨する歯科だけを取り挙げるそうで、掲載施設は17年7月末で200ヶ所を突破したという。残念ながら少なすぎる。もちろん、自宅周辺の掲載はゼロだった。

歯科医院こそホームページでの情報発信が重要な業種だろう。素人の患者が閲覧して決め手とするには、その医院ならではのアピールポイントも明確に打ち出さないと。

しかし特殊な要望があるわけでもない限り、患部をただ治療するのに歯科医の腕の良し悪しとか、あまり伝わらないだろう。痛くない・治療時間が短いことに越したことはないが、それも患部の程度による。

 

結局、近いところに通院


 

それでは歯科医院を選ぶ決め手とは何だろう?

これだけ店があり、優劣の差も分かりづらいとなると、けっきょく自宅からの近さで選ぶことになるのだろうか。それもコンビニ的だ。

コンビニ1店舗は3000人くらいの人口で成立すると言われてきた。歯科医院はさらに少ない人口で成立する業態なのだろう。

私もこの1、2年で親知らずを1本は抜く必要がある。以前通った歯医者で、虫歯の治療はできないと言われた歯だが、痛まないから今日まで抜かずにいる。

近所に4軒もあるのだから、その中から選ぶだけでも大変だ。引っ越してまだ半年あまり。評判も分からないので患者の入り用など様子を見ている。

歯科医院への希望はいろいろあるが、できればクレジット決済に対応してほしい。歯医者に行くだけでも気が滅入るのに、支払いに現金を用意しなければと思うとますます気が乗らない。

歯科に限らず、支払いは現金のみという医院は多い。キャッシュレス決済に対応するだけでも、顧客に選ばれるポイントになると思うけど・・・。


Pocket
LINEで送る