風呂をリフォームするとき、風呂の栓をチェーン付きのゴム栓にするか、ボタンプッシュの排水栓にするか考えた。
それまでゴム栓ばかりで暮らしてきたので、風呂の排水がボタンプッシュでやれるなんて、カタログを見るまで思いもよらないことだった。
風呂の栓の役割を考えれば、湯をためて捨てられればいいわけで、安上がりのゴム栓で十分だ。しかし、そこは wireless future を信じるわけで、オプション料金が増してもプッシュ式を選んだ。
選んでみて実感したのは、ゴム栓は湯をためて捨てる機能こそ果たすものの、チェーンが付いているために余計な働きもしていたということだ。
チェーンは、浴槽内をスポンジで洗う際に邪魔になっていた。外に出せば、外側を洗うとき邪魔になる。また、留め具などにカビが生えやすかった。
掃除の邪魔になることは以前から気づいていたが、チェーンレスの風呂に入って初めて気づいたこともある。浴槽内で肌とチェーンが接触するのを、実は不快に思っていたのだ。
肌に触れる肌着やTシャツでは、洗濯指示のタグが不快とか、縫い目も気になるという人もいる。実際、最近の肌着はタグなしが増えている。私はタグが目障りで切ってしまうことはあっても、肌に違和感を覚えるほど敏感ではない。それでもチェーンと肌が擦れれば、さすがに快いはずがない。手足が引っかかることさえあった。そんな風呂しか経験したことがなかったから、それを不満と認識することもできなかった。
チェーンレスになり、側面に引っかかるもののない浴槽がいかに快適かを知った。入浴しやすく、掃除もしやすい。
風呂の栓は、湯をためたり捨てたりするもの。その機能だけにフォーカスすれば、チェーンは余計なものとして排除すべきものだ。どれほど聡明な人が、最初に風呂栓のあるべき姿に気づいたのだろう。
I believe in a wireless future.