イオンタウン吉川美南、第2期オープン。衣料・雑貨専門店「FT」を刷新

 

17年9月20日にオープンしたイオンタウン吉川美南(埼玉県吉川市)の新棟は、JR武蔵野線・吉川美南駅西口前に位置する。周辺はマンション・戸建の建設が続き、この4年で人口が1.7倍に増加している。30代の構成比が7割を占め、大半が未就学児を抱える子育て世帯だ。今後も年間2割のペースで人口増加が見込めるという。増え続ける若い新規居住者のニーズに対応することが商業施設のテーマとなっている。

 

JR吉川美南駅西口前のイオンタウン新棟

 

イオンタウン吉川美南は2階建・総賃貸面積9060㎡で、1階にはイオンリテールの食品スーパー+調剤併設ドラッグ、2階には同じイオンリテール直営の衣料・生活雑貨専門店「FT」を核テナントとして配置した。

 

地元ケーキ、イートイン、LINE。地域密着の機能を高める


 

イオン吉川美南店の髙橋俊光店長は、1年前に赴任して地元の調査を進めてきた。

「アンケート調査で要望が多かったのは、地元の人気店、パティスリーハヤノを入れて欲しいという声でした。通常のようにチェーンのケーキ店を導入するという話も出ましたが、吉川市で絶大な人気のあるハヤノさんにお願いすることにしました」(髙橋店長)

 

地元で人気のパティスリーハヤノを導入

 

商圏に多い30代の利用を見込み、コールドプレスで作るフレッシュジュースをショップ形式で導入している。また、ベーカリーに隣接したイートインコーナーには80席を用意し、カフェマシンやフレッシュジュースとベーカリーの組み合わせで憩いのスペースを提供する。

 

コールドプレスジュースを提供する「デポデサンテ」

 

「周辺にはママ友同士でくつろぐ場が足りていません。施設内にはカフェ等のテナントもありますが、まだ不足すると思います。集まっておしゃべりできる場になるよう取り組みます。また、夕方以降はデリカを食べて帰るという利用シーンも促進します」(髙橋店長)

吉川市は地域の名産品としてナマズを推しているが、市民の食経験率は低い。地元産は高級品としても、ナマズを気軽に食べる機会として、吉川美南店では近畿大学が監修した国産ナマズの蒲焼、東南アジアに生息するナマズの一種・パンガシウスを使用した「トップバリュ 白身魚のふっくら蒲焼」を取り扱う。

また、周辺の30代女性は新聞購読率が4割を切ることから、オープン前からLINE@をコミュニケーションツールとして活用している。

 

タルト生地の上にデリカをデコレーションした「デコデリ」

 

FT アパレル雑貨から生活雑貨へ比重を移す


 

2階の衣料・生活雑貨専門店「FT」は、イオン通常の衣料品売場とは一線を画したコンセプトで業態開発を進めている。

 

FTの売場内には子供が楽しめるスペースも用意

 

イオンタウン吉川美南は2013年に第1期のオープンがあり、新棟から100mほど離れたところにFT1号店を開設した。この第1期区画からFTは駅前に移転し、旧店跡には12月、フィットネスジムがオープンする。

FTは、もともと団塊ジュニア世代を中心とする40代をターゲットとした業態だが、吉川美南では地域の人口構成に合わせ、ターゲットを30代まで広げている。アパレル雑貨の構成比を落とし、生活雑貨の割合を高めた。以前はアパレルの構成比が55%あったが、移転後は35%に低下する。

木下尚久FT事業部長は、非食品の分野でターゲット女性のニーズを満たすカテゴリーとして、キッチン雑貨・バス用品・コスメ・ステーショナリーを合わせて展開することが重要という。

「4つのカテゴリーが1つに集まって初めて、ターゲットとする女性が楽しいと感じる売場になる。これが4年間の運営と他の専門店を参考にして得た仮説です。2号店の湘南茅ヶ崎店を含め、売場を修正しました。ステーショナリーで重要な商品の1つがアルバムです。家族の写真を大事にしたいという意識が高まっていて、アルバムの種類も増えています。コスメは、1階のイオン直営売場にも品揃えしているわけですが、FTとして必要なものは重複しても揃えました。1つの売場の中で楽しさを感じていただくことが重要との判断です」(木下部長)

 

生活雑貨を拡充してターゲット女性に買物の楽しさを提供

 

現在FTは2店舗での展開となっている。当面は関東エリア内で業態の確立を目指す。

 

イオンタウンは第3期の拡張を計画


 

吉川美南駅は2012年に開設した新しい駅で、まだ開発途上のため駅周辺に店舗は少ない。ただ、隣駅にはららぽーと新三郷、反対方向へ2つ隣駅にはイオンレイクタウン越谷と、電車や車で移動できる範囲には大型の商業集積が複数ある。

大型ショッピングセンターの間に位置するイオンタウン吉川美南は、地域の日常ニーズに対応することですみ分けを図る。周辺住民の多くは電車を利用し、県内はもとより都内・千葉方面へと出勤するものとみられる。乗降客にとって、最寄り駅前に商業施設がある利便性は大きい。

なおイオンタウン吉川美南は、さらに第3期のオープンを計画している。詳細は不明だが、敷地面積は第1・2区画を合わせたものと同等の規模になる予定だ。

イオンタウン営業本部の堀内兵衛関東事業部長は、「まださまざまな案を検討している段階で、規模も含め確定していることはありません。周辺の大型商業集積といかに差別化するか、周辺のニーズにお応えするにはどういったものが本当に必要かを見極め、2年後くらいを目処にかたちにしたいと考えています」と語った。


 

 

Pocket
LINEで送る