ABCクッキング「Whip(ホイップ)」、手作りスイーツとフォトを楽しむ

 

ABC Cooking Studio が運営する「Whip(ホイップ)」は、スイーツ作りを楽しむためのサービスだ。メニューの中から作りたいスイーツを選ぶと、必要な材料や器具は店が提供してくれる。教室と違って作り方を指導する先生がいるわけではなく、利用者は調理スペースに備え付きのiPadで手順を確認しながら進めていく。料金はメニュー別で、価格帯は1500円の「デコドーナツ」から2500円のホールケーキまで、所要時間は30〜60分としている。

 

メニュー別に価格と所要時間が異なる(HPより)

 

完成した後の洗い物は店にお任せ。スイーツ作りの「楽しいとこ取り」を提供する。

ホイップは17年3月にスタートした新業態で、ABCクッキングスタジオに併設するかたちで3店舗を展開してきた。9月15日にそごう千葉店JUNNU(ジュンヌ)に開設した4号店は、百貨店内に構えた初めての単独店だ。

店内のテーマカラーは、ラベンダーピンクとホワイト。恋する女の子が自分らしく、自由に手作りを楽しむ空間とのことで、まさに恋する女の子にしか分からないテイストに仕上がっている。

調理台で作るあいだも、完成したスイーツも、すべてフォトジェニックに仕上がる。そごう千葉店では、6名まで利用できる個室も設け(1時間2000円)、食べるシーンもインスタ映えアップを実現する。

作るプロセス、完成したスイーツ、食べるシーンまでフォトジェニックに演出

 

新たな対象者と利用目的で客層を拡大


 

先行3店舗の利用客は、当初のねらい通り女子高生や女子大生が圧倒的という。

この世代のニーズであるインスタ映えにこだわり、教室ではなくセルフで作れるライト感覚の楽しさを提供する。ABC Cooking Studio としては若年層の開拓につながる。

ABCクッキングスタジオは全国125ヶ所(17年7月末)で展開している。会員数は約28万人、20〜30代前半の女性が多く、7割近くが未婚という。

料理教室に通うのは、やっぱり未婚女性のようだ。結婚してしまうと料理作りの現役になり、習うどころではなく実戦の日々が続く。なかには趣味として続ける人もいることはいるが、マジョリティではない。

主要ユーザーが未婚女性に限られてしまっては需要に限界も出てくる。スタジオ経営としては、利用客層を広げる必要がある。母子のクッキング教室や、子育てを終えた世代向けの教室を開発し、14年には男性の受け入れも始めた。1987年に設立した同社が、それまで女性専用だったことにむしろ驚く。男にだってニーズはもちろんある。今は男性会員も1万3000人いるという。

利用者の対象を広げると同時に、習い事とは違った観点から手作りとの接点を増やそうというのが、ホイップのねらいだ。

 

スイーツを作る「楽しいとこ取り」を提供するアトリエ

スイーツ作りは、それ自体に遊びの感覚がある。00年代以降はバレンタインも手作りチョコの祭典になり、友チョコといって女同士でチョコを贈り合うスタイルも定着した。ここ数年は手作りに飽きつつある傾向もあったが、手作りの「楽しいとこ取り」は女子の作りたい願望をかきたてるかもしれない。

ホールケーキを作る料金が2500円なら、買うよりも安いくらいだ。そうは言っても大差はないくらいなので、だったら買えばいいじゃんと思う人もいるだろう。しかし同じだったら作ることも楽しみたいという女子はいる。

何より、この体験はSNSにアップできる。SCのコト体験としては、かかる時間も必要な料金もマッチしている範ちゅうに思える。


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